1980年代、アメリカ経済は完全に失速した。反面、当時の日本はバブル経済の真っ盛り。しかし90年代に入り、徐々に形勢は逆転していく。絶好調だった日本経済は長期低迷に陥り、「失われた10年」と呼ばれる。対照的だったのが、アメリカだ。シリコンバレーから次々と生まれたITベンチャーが世界を席巻し、その勢いは今でも続いている。
では、なぜシリコンバレーという土地から世界的企業がこんなにも多く生まれたのか。その理由はシリコンバレーという街全体が巨大な孵化(ふか)器の役割を果たしていたからである。起業家の卵を無事に孵化させ成長支援する体制が整っていたのだ。
シリコンバレーでは、いちどビジネスで成功した起業家がエンジェル(個人投資家)となり、有望なベンチャー企業に資金面で支援したり、経営のアドバイスまでしてくれる。またこれ以外にも、有望なビジネスアイディアや技術があれば、そのビジネスのシーズ(種)に対して様々な支援が施される。ベンチャーキャピタルからの資金だけに限らず、場合によっては経営者まで派遣してくれることもある。これによってスムーズにベンチャービジネスを軌道に乗せることが可能となる。日本では創業者の苦労話が美談のように伝えられるが、特に変化の激しいIT業界などでは創業時に大きな苦労などしていれば逆に置いてけぼりにされかねない。
今回、ベンチャー通信編集部は日本でも徐々に整いつつあるベンチャー支援体制の最前線で、ベンチャー支援に執念を燃やすプロフェッショナルたちをサイト上で紹介する。 |